昭和初期の香りがする建物が洗足池の畔に建っている。この敷地と管理状況から公的機関が所有しているのだろうことは明白、正面玄関の上には、「鳳凰閣」の文字、国登録有形文化財 建造物「鳳凰閣(旧清明文庫)」であった。
塀が残っていたようだが今はフェンスになっている。 富士通の看板があったとか、今はないので大田区の管理下だろうか、はっきりしない。
「清明文庫は渋沢栄一が勝海舟を偲んで興した江戸開城六十周年記念の事業です。現在は日本モンテッソーリ教育総合研究所の建物です。 」という記事もあったが2008年だ。
鳳凰閣(旧清明文庫)
〈登録有形文化財 建造物〉 平成12年2月15日登録
構造・形式 :鉄筋コンクリート造3階建、陸屋根。
規 模 :建築面積548㎡
建築年代 :昭和8年(1933)
この建物が建つ土地は、海舟の遺族から勝海舟の別邸「洗足軒」の移転地として寄付されたもので、「洗足軒」があった場所(現、大田区立第六中学校)と海舟墓所や西郷南州(隆盛)の留魂祠等の所在地との間に位置する。
清明文庫は、「洗足軒」を永久に保存し、その活用の効果をあげるため、国民精神涵養の図書の収集閲覧、また付属講堂での講座開催を目的に、清明会が開館
したものである。清明会は、大正九年(1920)、仏教と儒教の精神をもととする東洋文明に対する敬蒙活動を目的に活動を開始した。昭和二十九年
(1954)に所有が代わり、現在は鳳凰閣と改称されている。
外観正面中央部をはさんで、左右対称にデザインされ、正面中央はネオゴシックスタイルの柱型が4本屋根まで延びている。間窓や内部のドアなどには、アー
ル・デコ調の植物をモチーフにしたと思われる幾何学文様の格子が入れられ、中央ホール右手にある階段の木製手摺部分にもアール・デコ調の彫物が施されてい
る。
床の幾何学文様のモザイクタイル、腰高に貼られているクリンカータイルもよく保存されている。平面はほとんど、もとのままであり、一部建具の入れ替え
はあるものの、全てのタイプの建具が残されており、昭和初期(1920年代後半~30年代)の開館建築の一つとして、貴重な建造物である。
http://otaku.edo-jidai.com/107.html
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